研究概要 |
金属基繊維複合材料のクリープ挙動を明らかにするために平成8年度は複合材料の巨視的,微視的挙動の解析に均質化理論を適用した.高温におけるクリープ挙動を解析するために均質化理論と境界要素法による粘塑性解析アルゴリズムを組み合わせるための理論的検討を行った.繊維複合材料の繊維と母材の界面の損傷とクリープ挙動の関連を評価するために繊維複合材料の三次元解析を対象とした. 本手法は均質化理論と境界要素法を組み合わせて適用することによって複合材料の界面の挙動を詳細に検討できる点にある.微視的挙動の解析に境界要素法を採用したとにより境界のみの検討で解析が可能なことから界面損傷のシミュレーションが容易である.界面を含めて繊維複合材料の境界要素を効率的に生成して詳細な三次元解析を行うために,汎用有限要素解析ソフトのプリ・ポストプロセッサーを用いてモデルの作成と均質化理論を用いた解析システムとの共通化を行った.本評価システムの検証のためにより微視構造が複雑な粒子分散複合材料の評価に適用し,基本的な解析プログラムの評価を行った.その結果の一部を第9回計算力学講演会において発表した. 平成9年度はさらに金属基の高温におけるクリープ挙動による応力緩和効果と界面損傷に着目して複合材料の巨視的挙動との関連について検討し,その挙動を明らかにする予定である.
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