研究概要 |
○X線侵入深さについて 窒化ケイ素の薄板(板厚100μm)を作製し、円筒曲げにより急勾配の曲げ応力を負荷してX線応力測定を行った。 1.cosψ法により応力分布解析を行い、その結果と既知の曲げ応力分布と比較した。 2.既知の応力分布と一致するX線侵入深さを決定したところ、表面から無限大までとなった。すなわち、回折に寄与する全ての回折強度をもとにX線応力分布の解析をすることが必要であることがわかった。こけをCr,Cu特性X線(波長の違いによりX線侵入深さが異なる)により、調べたが、同様の答が得られた。 従来は、X線侵入深さをX線入射強度枷が1/eになる深さまでとして、取り扱っていたがこれは、X線残留応力分布測定においては、誤りであることが明白となった。 3.有効X線侵入深さの6倍の厚さがあれば、ほぼ無限大の板厚があるものと同等であることも計算により求められた。 ○X線侵入深さコーティング膜への拡張 1.以上の結論をX線侵入深さの6倍よりも薄い薄膜・コーティング膜の場合について拡張するための薄膜の膜厚考慮した重み係数を解析し提案した。 2.膜あつを考慮した重み係数の定義を実験結果と比較検討し、その正しさを証明した。
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