• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

高強度CFRPの層間・層内メゾ構造の破壊への影響の分離解析と最適化

研究課題

研究課題/領域番号 08650106
研究機関京都大学

研究代表者

北條 正樹  京都大学, 工学部, 助教授 (70252492)

研究分担者 落合 庄治郎  京都大学, 工学部, 教授 (30111925)
キーワード複合材料 / 層間破壊 / 層内破壊 / 疲労強度 / 破壊靱性 / メゾ構造 / 界面 / 樹脂
研究概要

本研究では,CFRPの層間の樹脂層を制御した積層板を作製し,層内破壊とも比較し,かつ界面強度を変化させることによって,積層板の破壊に及ぼす層間・層内メゾ構造の影響を検討するとともに,さらに靱性の高い材料を開発するための指針を得ることを目的とする。そのため,層間樹脂層厚さ制御,樹脂層の樹脂の複合化を試み,樹脂層のない層内破壊とも比較することにより層間の樹脂層の靱性と厚さの影響を分離解析し,その結果を基に最適化を図ることを目的とする.本年度の成果は次のように要約される.
(1)層間樹脂層を熱可塑性樹脂で強化した積層板のモードI特性:CF/エポキシ積層板において,層間の樹脂層を靱性の高いポリプロピレンをベースとする熱可塑性樹脂で強化した積層板を作製し,モードIの層間特性を検討した.破壊靱性値は2kJ/m^2となり,熱可塑性樹脂をマトリックスとする高靱性CFRP並となり,特性の向上が著しいこと,き裂を進展させても,この抵抗の向上は維持されることが明らかとなった.き裂は層間の熱可塑性樹脂とベースCFRPの境界層近くを伝ぱしたが,この領域で熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂が複合化していることが,じん性向上の主原因であることが明らかとなった.
(2)層間樹脂層を熱可塑性樹脂で強化した積層板のモードII特性:同様に,モードIIの層間特性を検討した.靱性値は10kJ/m^2以上と著しく大きな値となった.モードIと異なり,層間の熱可塑性樹脂層全体が大きく塑性変形しており,その厚さによるエネルギー吸収がじん性向上に大きく寄与することが明らかとなった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 北條正樹: "一方向強化CF/PEEK積層板のモードII層間はく離疲労き裂伝ぱの破壊機構" 材料. 46巻・4号. 366-373 (1997)

  • [文献書誌] 北條正樹: "破壊力学とその特性評価" 材料. 46巻・5号. 568-574 (1997)

  • [文献書誌] Masaki Hojo: "Delamination Fatigue Crack Growth in CFRP Laminates under Mode I and II Loadings -Effect of Mesoscopic Structure on Fracture Mechanism-" Proceedings of International Conference on Fatigue of Composites. 15-26 (1997)

  • [文献書誌] Satoshi Matsuda: "Mesoscopic Fracture Mechanism of Mode II Delamination Fatigue Crack Propagation in Interlayer-Toughened CFRP" JSME International Journal, Series A. Vol.40,No4. 423-429 (1997)

  • [文献書誌] 日下貴之: "層間高靱化CFRP材のモードI層間破壊じん性の負荷速度依存性" 日本機械学会論文集,A編. 63巻・615号. 2359-2365 (1997)

  • [文献書誌] Takayuki Kusaka: "Rate Effects on Mode I Interlaminar Fracture Toughness in Carbon-Fiber / Epoxy and Carbon-Fiber / Toughened-Epoxy Composite Laminates" Proceedings of the Eleventh International Conference on Composite Materials, Vol.2. 234-243 (1997)

  • [文献書誌] 三木光範: "複合材料,機械システム入門シリーズ8" 共立出版, 236 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi