研究概要 |
本研究では,総合的により良い製品設計解を得るために,製品設計に関係する設計部門,製造部門,販売部門,製品企画部門などにおける決定事項や評価特性に関連する環境を調査・分析し,それらの間の関係を総合的に評価・解析して,多目的最適化手法や効用理論などを駆使した総合的意思決定システムを構築することを目的とする,さらに他の企業とのコラボレーションを行う,バーチャルエンタプライズにおける意思決定を支援するシステムの構築へと発展させる.本年度は,前年度に行った解析と評価と,構築した基本的システムをもとに,具体的なシステムの構築と評価を行った. 研究実績の概要は,以下の通りである. 1.前年度に構築した基本的意思決定システムに必要なデータベースなどの詳細を追加し,具体的なコンピュータ・プログラムシステムを作成した. 2.複数の異なる部門にまたがる製品設計に関連する意思決定環境の分析の元で,最適な情報の流れを実現する組織のモデルを求める方法を構築した.これより種々の変動要因にフレキシブルに対応できる情報ネットワーク構築の基礎が得られた. 3.異なる部門や領域にまたがる意思決定事項をコンカレントに評価,決定するために, モジュールを用いた製品のシステム設計法を構築した. 4.異なる部門間や企業間でのコラボレーションにおいて,シナジ-効果の最大化を支援するシステムの解析と構築,ならびに具体的システムの作成を行った. 5.異なる部門や組織間での統合的なグループ意思決定システムを構築した.そして,構築したグローバル意思決定の基本システムの評価を行い,システムの有用性,効率などの点から問題点と今後の課題を明らかにした.
|