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1997 年度 実績報告書

超音波振動小径穴加工における動的切削機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08650147
研究機関九州大学

研究代表者

鬼鞍 宏猷  九州大学, 工学部, 教授 (90108655)

研究分担者 佐島 隆生  九州大学, 工学部, 助手 (20215750)
甲木 昭雄  九州大学, 工学部, 助手 (20038095)
キーワード超音波振動切削 / 小経穴加工 / 食付き / 鎚打ち作用 / ふれまわり振動 / 傾斜穴加工 / 位置度 / 曲がり
研究概要

超音波振動が,食付き時のドリル挙動に及ぼす影響および深穴加工での切りくず排出性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.前者では,切削急停止装置を用いた実験を行い,加工穴の観察により食付き時のドリルの挙動を考察した.後者では,L/D=7の深穴加工実験を行って切りくず排出状況を観察し,切りくず生成機構を考察した.その結果,以下のことが明らかになった.
超音波振動の付加によって,チゼルエッジの作用すくい角の増加による切削性能の向上,チゼルエッジの鎚打ち作用および小刻みな断続切削によるドリル変位の累積の抑制効果によって,食付き時のドリルのふれまわりが抑制され,ドリルの食付き性が向上する。これによって,穴入口部における形状・寸法精度が向上する.振動を付加した場合の切りくずは,振動を付加しない場合に比べて,ドリルのねじれ溝に対する切りくずの占有面積が小さく,また,切りくず流出角は大きく,切りくず横向きカ-ルの曲率は小さくなっている.これらの特徴の原因としては,超音波振動による振動速度成分が切削速度の主成分となることにより切れ刃コーナ側とセンタ側の切削速度の差が減少することおよびチゼルエッジの切削性能が向上するために振動を付加しない場合に比べてチゼルエッジから半径方向への切りくず流出速度の増大が考えられる.切りくずがスムーズに排出されることにより,深穴においても切りくずつまりによるドリルの折損が防止され,ステップフィードが不要となり,加工能率は向上する.また,切りくずで穴内面をこすることによる穴内面の性状への悪影響も抑えることができる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Onikura: "Recent Trends of Efficient and Precision Drilling" Proc.of Int.Conf.on Precision Engineering(ICPE′97)(3rd ICMT). Vol.1. 13-18 (1997)

  • [文献書誌] Onikura,Ohnishi,Sasaguri: "Improvement of Cutting Performance by Ultrasonic Vibration in Micro Deep Drilling of Engineering Plastics" Proc.of Int.Conf.on Precision Engineering(ICPE′97)(3rd ICMT). Vol.2. 547-551 (1997)

  • [文献書誌] 鬼鞍宏猷,大西 修: "超音波振動小径穴加工における切削機構" 精密工学会誌. (予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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