昨年度は研磨剤がWA♯80の場合について試験したが、本年度は研磨剤をC砥粒(C♯80)、ガラスビーズ(FB80S)ならびに合成樹脂(FS180M)として、昨年度と同様の10種類(S55C、FC25、SS41、Al、銅、黄銅、アクリル、ソーダガラス、硬・軟質ゴム)のワーク材料に対してブラスト試験を実施し、昨年度開発したブラストドレッシング過程のシミュレーションの妥当性と適用限界について検討・考察した。 さらに、研磨剤A♯200による天然ダイヤモンドのブラスト試験ならびに微細粒研磨剤による超硬合金、高速度鋼、S45Cのブラスト試験を実施し、シミュレーション結果と比較・検討した。 得られた研究成果は以下のように要約される。 (1)研磨剤がC砥粒(C♯80)によるブラスト試験結果はSS41材以外の5種類の金属材料については、実験結果がシミュレーション結果より2.5〜3.0倍大きく求まった。これはC砥粒の角が切れ刃として作用する切削効果がシミュレーションには考慮されていないためと考えられる。 (2)研磨剤がガラスビーズの場合には、FC25材以外の5種類の金属材料についてはシミュレーション結果の方が2〜10倍大きく求まった。これは、ガラスビーズの研磨剤がワーク材料に衝突する瞬間に細かく破壊してワーク材料を除去する能力が低下するためと理解できる。 (3)研磨剤が合成樹脂の場合には、ワーク材料がFC25、Al、アクリルの場合にだけブラスト試験により窪みが形成され、シミュレーションによっても同様の結果が確認された。 (4)世の中で最も硬い物質である天然ダイヤモンドが研磨剤A♯200によるブラスト試験で破壊され、シミュレーションによっても同様の結果が確認された。 (5)微細粒研磨剤によるブラストの効果については、さらなる実験・研究が必要である。
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