ブラストドレッシングによりワーク材料が削除される過程を計算機シミュレーションできるプログラムを作成した。4種類の研磨剤(WA♯80、C80、FB18S、FS180M)による10種類のワーク材料(S55C、S441、FC25、黄銅、銅、Al、アクリル、ソーダガラス、硬質ゴム、軟質ゴム)のブラスト試験とシミュレーションを実行し、両結果に基づいて本シミュレーション法の妥当性と信頼性を確認したところ、以下のことが判明した。 1.研磨剤がWA砥粒またはC砥粒で、ワーク材料が金属材料の場合には、シミュレーション結果と実験結果は割合よく一致し、本シミュレーションが実用可能であることがわかった。 2.ワ一ク材料が軟質ゴムの場合には、ゴムの弾性により研磨剤粒子が跳ね返されるため窪みは全く形成されない。また、合成樹脂の研磨剤により鋳鉄やアルミニウムの金属に窪みが形成される。このような意外な結果が本シミュレーションにより精確に予測できる。 3.天燃ダイヤモンドの(111)面がWA砥粒を研磨剤とするブラスト試験により破壊して除去され、その窪みの深さはシミュレーション結果にかなり近い値である。 4.平均粒経が6.0〜8.5μmの微細粒研磨剤によるブラストの場合、窪みの最大深さの実験結果はシミュレーション結果より20〜200倍大きく求まった。その主な原因は、ノズルから噴射され霧状になった一個の水滴の中に数個〜数十個の研磨剤が含有されており、それらの研磨剤がワーク材料の同一箇所に同時に激突するためと推察できる。
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