研究課題/領域番号 |
08650205
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
冨山 明男 神戸大学, 工学部, 助教授 (30211402)
|
研究分担者 |
細川 茂雄 神戸大学, 工学部, 助手 (10252793)
坂口 忠司 神戸大学, 工学部, 教授 (50031076)
|
キーワード | 気泡 / レーザー誘起蛍光 / 横方向運動 / 気泡運動モデル / 揺動運動 / 揚力 / 抗力 / 気液二相流 |
研究概要 |
気液二相気泡流では、気泡の運動を性格に記述することが最も重要な課題の一つである。従来から、気泡運動に関する多くの実験的研究やモデルの構築が行われており、気泡に働く抗力に関しては精度の高いモデルが報告されている。しかし、気泡の揺動運動や気泡に働く横方向の力については、未だ不明な点が多い。気泡の横方向運動は、気泡形状とその周囲の流れ場に密接に関わっている。本研究では、レーザー誘起蛍光法を用いて、気泡の形状と気泡の運動を定量的に解析し、気泡運動モデルの構築を行うことを目的としている。 今年度は、計測手法の開発と気泡運動解析に必要な気泡運動評価実験装置の構築を行った。気泡周囲の流れ場をレーザー誘起蛍光法で計測する手法を開発し、その手法の性能を評価するために液相中を沈降する粒子の位置と周囲流れの関係を測定した。その結果、本計測手法が分散相の位置および形状と周囲流体の流測を同時に測定することが可能であることが可能であることを確認した。また、本計測手法では散乱粒子などの微細粒子を流体中に混入する必要がなく、これらの微細粒子が気泡運動に与える影響は無いことも確認した。 気泡運動評価実験装置に関しては、設計製作を行い、動作確認を行った。本実験装置では、気泡径が均一な単一の気泡を連続的に任意周期で放出できるように工夫した。動作試験の結果、本実験装置で、工業上見かけられる気泡径の大部分の範囲(3mm〜12mm)を網羅できることを確認した。また、気泡の放出周期に関しては、気泡が単一とみなせる周期(2Hz)から気泡間の相互作用が現われる周期(20Hz)の範囲で安定して設定できることを確認した。さらに、本実験装置には、任意強度の液相速度勾配を気泡に付加するために、回転型ベルトを組み込んだ。このため、横方向運動に及ぼす速度勾配の影響も把握可能となった。 上記実験装置を用いて、静止液中を運動する気泡の運動を解析するととに、気泡が自己揺動運動することにより発生する気相(気泡)の拡散を定量的に測定した。その結果、気泡の拡散は、気泡の径だけでなく、気泡の放出周期にも深く関わっていることを明らかにした。
|