1.平成8年度〜9年度に行った研究の実施内容 (1)流れの可視化実験を種々の噴出条件について行い、噴出条件と噴流の偏向方向および付着位置との関係および噴出条件により流れ場の流動パターンが変化していく様子を明らかにした。 (2)(1)により明らかにされた自由境界付着流れの6種類の流動パターンについてさらに詳細にトレーサ法による流れの可視化を行い、その結果より速度ベクトルを算出し、最大速度の減衰の様子および噴流が流路内に拡散していく様子を各流動パターンについて調べた。 (3)噴出直後の跳水発生による水面形状の変化を明らかにするために、最高水位点の位置を噴出条件を変えて調べた。 2.平成8年度〜9年度に得られた成果 (1)噴流の偏向方向は、噴出条件により自由境界(水面)方向、固体境界(底面)方向およびいずれの境界方向に偏向する場合に分けられる。また、噴流の付着位置は、水面に付着する場合ノズル中心から水面までの高さに、底板に付着する場合底板までの深さによって決まる。 (2)自由境界(水面)側に偏向し付着する流れは、流動パターンにより6種類の流れに大別できる。 (3)噴流が水面下を流下する場合には、水面の上昇・下降に対応して噴流の運動エネルギが位置エネルギにあるいは位置エネルギが運動エネルギに変換されるため、最大速度の減衰も水面の変化に応じて変化する。 (4)自由境界(水面)に付着する流れは、固体境界(底面)に付着する流れよりもはやく拡散する。
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