本研究では定容容器内に充填された可燃性混合気体中に人為的に乱れを加えた上でその中を伝播する乱流火炎面を観察して、その構造を実験的に明かにし、合わせて数値的な実験と対応させることにより、適切な乱流火炎モデルを構築することを目的とする。使用する定容容器は火炎点火機関の燃焼室を模擬した円筒型のもので直径100mm、、高さ30mmである。混合気体に与える乱れとしてスワールおよび噴流型の流れ場を人為的に形成するような乱れ発生機構を備えた定容容器を設計、製作した。燃料として水素、メタン、プロパン、などを用い、予混合火炎の形態を瞬間シュリーレン撮影と瞬間直接撮影(露光時間1/8000s)により可視化計測する。あわせて、圧力変換器による筒内圧力の測定により、燃焼時間、最大圧力を測定し、乱れの影響を明らかにする。乱れの特性については非燃焼時に熱線流速計により測定する。現在得られた結果によるとスワールの場合、旋回速度が燃焼速度を決める重要な因子であることが明らかになった。一方、噴流の場合、側壁の8個の噴孔から同時に噴出することにより、ほぼ一様な乱れ場を作りこの乱れにより燃焼速度が増加することを確かめたが噴孔内の燃焼により二次的噴流が発生しこの影響も大きい事がわかった。この二次噴流の影響は純粋な乱れの影響とは言い難いので取り除く必要がある。他方、理論的定式化を行い、SIMPLE法による数値計算ソフトウエアの開発を行い、火炎伝播の過程を数値的にシミュレートしている。
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