研究課題/領域番号 |
08650247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 繁男 金沢大学, 工学部, 教授 (70272953)
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研究分担者 |
木綿 隆弘 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40225107)
上野 久儀 金沢大学, 工学部, 教授 (80019752)
岡島 厚 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80013689)
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キーワード | 熱伝達 / 自然対流 / 連成熱伝達 / 非定常流 / レイリー数 / ヌッセルト数 / 数値解析 / 流れの可視化 |
研究概要 |
自然対流については、これまで多くの研究がなされてきた。その中で最も基礎的なものの一つに良く知られている加熱鉛直平板からの自然対流熱伝達問題がある。ここでは、加熱物体(例えば鉛直平板)が不完全熱伝導体(加熱物体の熱伝導率が流体のそれにくらべ無限に大きくない)である場合の自然対流熱伝達に着目した。特に、今回は温度の異なる2つのレザバ-が鉛直平板(有限な熱伝達を有する)で仕切られている場合について理論的かつ実験的に検討した。まず、仕切板と流体が接する部分に薄い温度境界層を仮定して、一次元近似に基づく平板の表面温度を未知数とする2つの5次の代数方程式を導いた。これらの5次方程式は、平板の幾何学的アスペクト比、平板の流体に対する相対的熱伝導率比、レザバ-流体の温度差で定義される見かけ上のレイリー数から作られる2つの無次元パラメータを有している。すなわち自然対流連成熱伝達問題の平均の熱伝達率は、これら2つの無次元パラメータにより支配されていることが明らかになった。さらに仕切板として銅、ステンレス、セラミック平板を取り付けて、平均熱伝達率を測定した。実験的に求められた平均熱伝達率を一次元近似から求められた平均熱伝達率と比較した結果、良い一致が得られ、理論予測値の妥当性が検証された。2つのレザバ-内は温度成層していることが確かめられた。また、仕切板に沿って強い上昇流、降下流が見られるが、その他のところでは密度成層化に伴いほとんど静止していた。しかし、このよう温度成層化は平均熱伝達には顕著な影響を与えなかった。
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