| 研究概要 |
ガス吸収法は,混合ガスからの不純物の除去あるいは有用成分の回収などの工業プロセスほか,地球温暖化の要因である炭酸ガスの回収などと関係して今日ますます重要な問題となっている。一般的な物理的ガス吸収法である流下液膜法あるいは噴霧液滴法などでは,吸収速度が液相内の拡散輸送支配にあり,外部撹乱あるいは噴霧液滴による表面積増加などを用いても促進には限界がある。
本研究では,以上の観点から物理的ガス吸収法の高効率化を目的に,ガスと凝縮性気体からなる混合気の凝縮過程を利用して,ガス吸収を液相拡散から気相拡散支配とすることにより吸収速度を促進する,新たなガス吸収法を提案した。鉛直冷却円管内流れ場を対象とした炭酸ガスと水蒸気の混合気の凝縮・吸収実験,および凝縮液膜へのガス吸収についてのモデル化のもと理論解析を行い,両者の比較により凝縮液およびミスト滴へのガス吸収の機構が明らかにされた。また,壁面凝縮によるガス吸収速度が同一液流量のもとでの流下液膜によるガス吸収速度について理論解析結果と比較され,本方式の有効性が明らかにされた。
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