研究課題/領域番号 |
08650252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
熊田 雅弥 岐阜大学, 工学部, 教授 (30021603)
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研究分担者 |
三松 順治 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20202351)
花村 克悟 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20172950)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 射出成形機 / メルトフロントの熱移動 / ポリスチレン / シリコンオイル / 表面張力 / 弾性膨張 / Melt-Front / Non-Newtonian Flow |
研究概要 |
本研究は、高分子ポリマーの射出成形機において、溶融ポリマーのメルトフロントの熱流動を実験的に解析することである。 初年度において、メルトフロントの性状を定量的に解明するために、スクリュータイプの小型射出成形機の試作に先だって、試験用高分子のポリスチレン溶融液の出口における弾性膨張による形状変化を諸因子を変化させてCCDカメラにて観察し、これを基礎に成形機のスペックを決定し製作すると同時に、CDカメラの観測結果を画像処理するソフトの製作を行い、壁近傍を含めた形状変化の時系列データ解析ソフトの精度を確認した。 以上の結果を検討し、スクリュータイプの小型射出成形機を使用して、流出速度、金型形状を変化させて実験を行い、以下の結論を得た。 (1)試験用金型として、ガラス製円管を試験部に装着し、ノズル射出直後の弾性膨張による溶融ポリマー(ポリスチレン)の流動をCCDカメラ2台によるステレオ撮影の結果を画像処理し、三次の多項式近似によるメルトフロントの性状の近似を行い、ノズル出口から管内面全体に膨張する非定常流動を明らかにした。 (2)射出圧力が小さい場合は、弾性膨張によるノズル径より大きい状態でスパイラルな流動をし、流出速度の低下と共に管断面全体に膨張し、その後ノズル直後まで溶融ポリマーが充満した後、下流に流出する。 (3)試験用金型を矩形流路にして、上述と同じ条件で実験・処理を行った。 (4)溶融ポリマーは、ノズル直後膨張して上下壁に接触後、球形からまず上下方向に放物形状になり、スパン方向の壁に到達するまでその形状を維持し、その後メルトフロントは、球形を維持して流出する。 (5)しかし、詳細には壁でのスリップ流れによると思われる流速の周期的変化が観測された。この周期は、流出速度に依存する。 この結果は、平成11年3月開催の日米機械学会合同熱工学会議で発表の予定である。
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