研究概要 |
未知環境においてロボットがスムーズに移動し作業するには,障害物の配置を知るための環境地図が有効である.環境地図生成に必要な,障害物の位置を取得する方法を研究し,移動ロボットと高速相関演算追跡処理装置(トラッキングビジョン,科学研究費により購入)を含む実験システムを構成した.本システムの機能確認のため,障害物を固定して配置した領域で実験し所期の成果を得た.次に,環境地図における障害物の位置を知り,接触を避け領域内を通過する最適経路を求める軌道生成法を研究した.当初計画に加え,さらに,軌道生成法により求めた最適経路をたどり,障害物を配置した領域を移動ロボットが実際に通過する実験を行い,この方法と障害物の位置を取得する方法とを併せて,実地適用性を検証した. 本研究に使用したシステムは,視覚センサ(CCDカメラ)を移動し画像入力データを取り込む移動局と,画像情報処理部を置いた固定地上局,および,統合管理システムから構成した.移動用には,別途既に開発していた移動ロボットに部品交換を施し転用した.画像情報処理部は,トラッキングビジョンとワークステーションを電子部品で統合し開発した. 本研究により得た成果は次のとおりである:(1)移動局が対象領域を走査し,環境の状況を画像入力データとして取り込み,固定地上局に伝送し,画像情報処理部が動画像処理し,障害物を検出できる.(2)検出した情報を移動局の制御部に送り,これを受けて移動局は障害物の位置を取得する作業に入り,移動局の位置とその点から見た障害物の方位により,障害物の位置を取得し,環境地図を生成できる.(3)DPを用いて,障害物を回避する最適経路を生成し,求めた経路に沿ってロボットが移動し,障害物と接触せずに通過できる.
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