研究概要 |
本年度の主たる成果は以下の如くである。 1.研究目的の基幹をなす構造物動特性の同定に関しては時間埋め込みの考え方を適用して信号空間を構成し、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via lnvariance Techniques)手法を応用して極および減衰係数を抽出する理論を構築した。 2.上記理論を数値演算プログラムに変換し、シミュレーションによって有効性を検証した。演算に含まれる特異値分解、固有値分解などマトリックス演算については本補助で導入したワークステーションを活用し、シミュレーションプログラムMATLABを用いて行った。その結果構造物の動物性が時変である系に対し追随性の良い同定が可能である事が示された。 3.本同定理論とそのシニュレーション結果を検証するため、基本構造物として単純梁、実構造物モデルとして柔軟性の高い宇宙構造物模擬モデルを作成し、加振試験を実施した。その結果基本構造物の構造特性同定に対しては理論値と極めて近い結果が得られ、本理論の有効性を実証する事ができた。宇宙構造物模擬モデルに関しても時変の加振入力に対し,計算量の極端な増大無しに主要モード成分の抽出か可能である事が分かり実構造物に対しても充分実用性を有する事が実証できた。 以上の結果は国際学会での論文発表、論文誌への投稿を続行中であり、著明な成果が得られた。
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