研究概要 |
1.ドア開閉動作の実験による検証 移動体として,研究代表者等の研究室で開発した全方向への移動能力を有する台車を用い,前年度に設計した6自由度アームを搭載してドアの開閉実験を行った.台車には,車輪の角度および回転量を計測するエンコーダ,台車と壁の位置関係を計測する超音波センサシステムおよびテレビカメラが装備されており,数cm程度の精度で台車とドアの相対位置を制御できるようになっている.このような実験装置を用いて提案した手法を検証し,ドアの開閉を含む部屋間移動が行えることを実証した. 2.独立2輪駆動台車への適用 本手法を,通常の独立2輪駆動台車へ適用するための検討を行った.その結果,全方向移動台車に比較して軌道追従をより厳密に行う必要があるが,理論的には可能であることが明らかとなった. 3.移動体の経路に関する検討 本手法を実際ロボットに適用するためには,前年度に報告した3つの拘束条件,すなわち(1)力学的拘束,(2)幾何学的拘束,(3)運動学的拘束を満たす軌道を,センサ情報に基づき実時間で生成しなければならない.そこでまず,ドア周囲の障害物配置状況について3種類設定し,それぞれについて自動的な軌道生成を試みた.設定した環境は,ドアの左右および後側の3辺のうち2辺に壁状の障害物があると仮定したものである.結果として,軌道を中間目標位置を設定して二つに分けることにより,目的とする軌道が生成できることを確認した.
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