研究課題/領域番号 |
08650308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 武俊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20272586)
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研究分担者 |
宮崎 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10262114)
溝口 博 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (00262113)
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キーワード | 行動理解 / 動作認識 / 視覚追跡 / 注視処理 / 医療行為 |
研究概要 |
本研究は、高速視覚追跡機能を有する視覚処理システムを応用し、人間と共棲するロボットに必要な人間行動理解のための基礎的技術である動作認識モデルを、動きの追跡処理、動作の注視処理、行動の識別処理の三段階層型として実現することを目的としている。本研究では、人間の発見・部位追跡処理、多注目点の注視処理による動作認識、人間行動モデルベースに基づく識別処理による行動理解のいずれにおいても階層内・階層間において予測を用いる。 初年度である平成8年度は、人が人に対して行なう現実社会での実作業である医師の診療行為の理解に適合する手法を構築し、薬剤塗布行為理解実験への適用を行なった。診療行為の視覚理解は、動作における「器具名」「薬剤名」「対象部位名」を判別し、それぞの順序、時間間隔、内容を認識し、時系列集合としてまとめあげることによって実現した。状態変化検出、動作識別、行動理解の三階層からなるソフトウェアを作成し、耳・鼻・喉への塗布のコンピュータによる実時間理解実験を行なった。 実験において、行為は「どの器具を手にとったか」「器具に薬を塗る動作をしたかどうか」「対象の部位はどこであるか」を机に配置された器具の種類、薬瓶、患者の対象部位の状態変化から検出し、これらを動作の時系列集合としてまとめることによって視覚理解された。これらの変化検出の継続時間を用いた動作識別処理と動作報告の時間間隔に基づく行動理解処理により、患者や医師の個人差に影響されない行為の理解が可能となった。
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