研究概要 |
多品種少量(変量)生産システムの組立工程においては,製品のロットの種類に応じてさまざまな部品を適宜切り替えて的確に供給する技術が必須となり,このための部品供給システム開発の基礎的研究として(1)画像処理による部品形状判別,(2)振動フィーダの高密度化,高能率化,(3)部品給送ロボットの開発応用の3テーマを軸としてつぎのような理論解析と試作・実験を行った. 1.通常の部品供給システムでは対象とする認識形状が限られていることを配慮し,例えばビンピッキングのように部品が互いに重なりあって判別ステーションに送られてくる場合であっても部品の一部分を見てその姿勢を判別可能なアルゴリズムの開発を行っている.現在二次元形状についてのアルゴリズムを求めるとともにCCDカメラおよびビデオ画像処理装置を用て実験を行っているが,さらに三次元への拡張を検討している. 2.振動フィーダにおいて高密度化のための新しいばね構造と圧電素子による駆動方式を提案し,試作実験を行っている.L字状に構成した新しいばね構造では振動にともなうばねの変形モードは大変複雑になるが,近似的な取扱いを導入してばね定数の算出式を導き,設計のための指針を作成するとともに,実用化への検討を行っている. 3.垂直多関節型および円筒座標型のロボットについてそれぞれの機能分析を行い,部品供給ロボットとして用いる場合の汎用性,高速性の観点からの長短について検討するとともに,高速の部品供給システムに有効であると思われる円筒座標型のロボット本体の設計試作を行った.
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