研究概要 |
アクチュエータ,アクチュエータ出力軸に固定されたTVカメラ,カメラ位置を計測するための角度センサ,及び感覚機能を持たない弾性棒というわずか4つの構成要素からなるビジョンベースト能動触角の基本動作原理について考察した.その結果,(1)触角として円形断面を有する弾性棒を用いた場合,接触点より根元側は3次曲線となり,接触点より先端側は直線になる,(2)接触点がどこにあろうが,任意の2点が見えていれば接触位置は一意に決まる,(3)接触点がオクルージョン等で隠れていても,接触点位置が決まる,(4)対象物の柔らかさに左右されることなく接触点位置は触角の形状だけで算出可能,(5)対象物の剛性が推定可能といったことが明らかになった.さらに実際のハードウェアを試作し,コンピュータと接続して基本動作確認実験を行った.実験結果を要約すると,(1)触角上の計測点をすべて使う関数フィッティング法によって触角形状を推定すると精度よく接触位置が求まるが,推定に時間がかかり実時間性が失われてしまう,(2)触角上の2点を使って推定される接触位置はかなりばらつくが,触角上の複数の点に対して,任意の2点を選んで接触位置を算出し,それらを平均化する方法は,高速でしかも精度も保証される,(3)触角上の約1割程度が見えていれば,接触位置は十分な精度で推定できる,(4)原点位置の固定方法が検出精度に敏感に影響を与えるといったことが明らかになった.
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