研究概要 |
微細作業シミュレータは没入型と非没入型がある.非没入型シミュレータについては完成した.すなわち,微小世界の物理モデルを計算機上に構築すこと,操作入力装置および操作者への情報提示システムを開発すること,および操作情報の記録システム・操作における生体反応の記録システムを開発することが完了し,別途開発したマイクロマニピュレータの実機と比較評価実験を行って有効性を確認した.つぎにこのシミュレータを用いて,微細作業の習熟過程におけるメンタルモデルの形成.聴覚フィードバックが作業に与える影響,ディスプレイサイズが作業に及ぼす影響を明らかにする実験を行い収集解析を行った. 没入型シミュレータについては,3次元HMDによる視覚表示系は動作確認中である.音響表示装置については,2次元全方向への音響表示装置を制作して評価を行い,臨場感が増すことを確認した.それを踏まえて3次元の設計を行い制作中である. 微細作業における熟達過程を解明するために,呼吸反応を測定する生体反応測定システムを開発し,呼吸反応と微細作業習熟との関係を調べる実験を行い,作業習熟の程度を計るための指標となりうる特徴を明らかにした.さらに筋電位,眼筋運動を測定する測定システムを開発し簡単なタイピング作業によってその性能をテストした.その結果,微細作業における作業者の熟練度に柔軟に対応するヒューマンインタフェースの設計概念について示唆を得た.また,熟達に伴う作業負荷の変化を評価するために人体ダイナモグラフィを開発し,有効であることを確認した.さらに,操作する腕の位置の変化を表示する位置覚ディスプレイを開発し,熟練技能を操作者に提示する上で有効であることを確認した.
|