本研究は、構造体と、構造体の結合・置換機能などを有する結合体から成る複合体及び複合体の知能部とから成る機械システムを提案し、これを実現するための基盤技術を確立することを目的とするものである。 本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 構造体と結合体から成る複合体の発現機構を検討した。構造体を点、結合体を線でグラフ表現し、複数の構造体が結合体によって相互接続されることによって構成される複合体の多様性を検討した。構造体が、他の構造体との結合を繰り返すことによって、複合体としての構造が複雑化する過程を考察するために、構造体数が与えられたときの結合体による接続可能数の上限と下限、特定の数の構造体を結合体によって接続することで得られる複合体の数を、グラフの数え上げによって調べた。特に、構造体数が少ない場合については、複合体のグラフを列挙した。さらに、複合体の構成の多様性を評価し、複合体の特徴付け等を行っている。 次に、上記の研究成果に、構造体の形状を制約条件として加えて検討した。ここでは、構造体を2次元の一様な形状を有する場合について、これによって実際に複合体を構成する際の、複合体の構成の多様性を評価し、複合体の特徴付けを行っている。
|