1.システムの構成と電圧制御法 超大容量装置を実現するために、単位コンバータに3レベル方式を採用して高電圧化を図り、さらに、低次調波消去作用を持つ相間リアクトルによって2台の単位コンバータを並列接続して大電流化した。このような超大容量装置に適用できるスイッチングデバイスとしては、GTOサイリスタだけであり、そのスイッチング周波数は500Hz程度以下に制約される。そこで、リアクトルで消去できない最低次成分を消すパルスパターンを求め、電圧ノッチング法により電圧制御を行うことを検討した。この結果、3〜5パルス/周期のような低スイッチング周波数でも実用上充分な低ひずみ波形を発生することができることがわかった。リアクトル容量を低減するため、単位コンバータ間の位相差を30°から15°に減少させた場合も充分実用性能が得られることがわかった。 2.系統連系実験 試作装置に、理論的に求めた最適パターンを信号として与え、コンバータを系統に接続して実験を行い、所期の低ひずみ電流波形で、遅れ・進み位相で動作できることを確認した. 3.今後の課題 開ループでのコンバータ動作の検討が中心であったが、次年度には、閉ループ動作の理論的・実験的検討を行い、過度的にも良好な特性を持つシステムを実現したい。
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