研究概要 |
本研究は、SF6ガス消孤基礎特性とそれにに及ぼす各種遮断器材料の影響を,正確に評価できる標準試験誘導プラズマ炉の開発が主たる目的である。本プラズマ炉の特徴は、電極を用いない誘導加熱によるクリーンな純粋SF6プラズマを発生できるとともに、異物粒子や異種類のガスの導入が可能であり、発生させた高温SF6中のF原子の電子付着性すなわち電子密度低下効果に及ぼす電極材料やノズル材料の混入の影響を実験的に定量化できる特長がある。本平成8年度で得られた主要な成果を以下に要約する。 1)SF6誘導熱プラズマ発生に必要な電源容量の評価 SF6は強い消孤性能を有する電気的負性気体であるのでその安定発生には、従来のArガス等と比べてかなりの高周波電源容量が必要と予想された。SF6、Arに関する導電率、熱伝導率の理論的検討を行うことにより、容量30kWレベルで、高効率な設計により十分安定なSF6熱プラズマが発生できるか理論的にまず確認できた。 2)SF6誘導プラズマシステムの評価と運転 電源,マッチング回路,誘導コイルを含む電力システムを、周波数1.6MHz、出力30kWにおいて、パワーの流れを計算機解析することにより,高効率で安定なプラズマ炉の設計の詳細が得られた。具体的には、直径70〜80mm、長さ100mm程度の放電域の温度場が形成可能であることがわかった。具体的にSF6プラズマの発生を試み、圧力1気圧で80%SF6混入(Ar20%)の熱プラズマ発生に成功した。 3)SF6誘導プラズマの温度場の計測 S原子およびAr原子(微量混入;SF6とは無反応)からのスペクトル線をマルチチャンネル同時測光することにより、発生した高温場の温度分布計測を行った。予想されていたとうり、10、000度を越す高温状態となっており、しかもSF6が強いプラズマ収縮作用を有することが判明した。
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