研究概要 |
本研究は,希薄で不規則に変動する太陽光エネルギーを高効率で電気エネルギーに変換するため,太陽電池の最適動作点をオンラインにより決定する太陽光発電プラントの構築を目的にしている。 まず,高効率太陽光発電プラントの基礎データを得るため,沖縄県各地における太陽エネルギー賦存量を算出し,次いで太陽電池パネル面を固定した場合の最大日射エネルギーを得る最適傾斜角(那覇18度,宮古島12度),最適方位角(那覇51度,宮古島55度)を求めた。そして,傾斜面全日射量から太陽電池発電量を算出して,沖縄における太陽エネルギーの電力変換に関する諸特性を明らかにし,その一部を学会で発表した。 申請者は,これまでにファジ-制御による太陽光発電プラントの最適動作点決定法を提案しており,この手法に新たに適応機構を導入した制御手法を構成し,シミュレーションよりその有効性を検証した。本手法は日射量などが急変してもファジ-制御則の適応機能により,発電プラントの動作点を常に最適動作点へ高速に追従可能で,太陽電池の出力電力とチョッパの通流率だけでメンバシップ関数を構成しているため,複雑な計算を要せずオンラインで最大出力点の探索ができる。さらに最大出力点追従制御性能を改善するため,ファジ-ルールの構造を埋め込んだニューラルネットを構成して通流率を時変にしたところ,即応性,収束性などで良好な制御実験結果が得られた。 提案の最適動作点探索制御法の有効性を実プラントで検証するため,太陽光発電プラントを設計・試作して,ファジ-ニューロの動作を実験により調べた。
|