高效率集光形太陽電池創製に関する研究

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08650352
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: 豊田工業大学
• 研究代表者: 楊 民挙 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 研究員 (50278397)
• 研究分担者: 山口 真史 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50268033)
• キーワード: 太陽電池 / 光-電気変換効率 / 集光 / GaAs / Si / GaAs / Si / 量子井戸 / ハイブリット

研究概要

現在、地球の温暖化、環境汚染などが地球規模の問題となっている。新エネルギー源として環境にやさしいクリーンな太陽エネルギーに対する期待が大きい。太陽光発電の広範な普及を計るためには太陽電池の光-電気変換効率の向上ともに、コスト低減が必要である。集光式太陽電池発電システムは安価な光学レンズで入射太陽光を集光して小面積の太陽電池に与える方式であり、太陽電池の使用量を大幅に減少することができる。さらに、集光により、太陽電池の光-電気変換効率を向上できる可能性もある。
Si上のGaAs太陽電池を開発し、集光条件下でGaAs/Si太陽電池特性をを測定した。太陽電池の変換効率は集光倍率にしたがって増加したが、集光倍率約20で太陽電池特性の急に劣化したの異常な現象が観察された。現在、原因を解析中である。
集光式Si太陽電池の光-電気変換特性を測定、解析した。集光倍率25倍でSi太陽電池の最高変換効率24.7%が得られた。
低集光倍率領域でGaAs/InGaAs量子井戸太陽電池特性のスパーリニア効果がはじめて観測された。
入射太陽光をスペクトルの広い帯域(300-1850nm)にわたって有効に利用し、かつ集光による太陽電池の温度上昇の問題を軽減するために、新型ハイブリット太陽光発電、熱利用集光システムを提案している。コールドミラーにより入射太陽光のスペクトルを分離することにより、太陽電池が吸収する光を電気に変換し、バンドギャップより小さいエネルギーの光(赤外光)を分離して、熱エネルギーに変換するという、エネルギー変換システムである。

研究成果

• [文献書誌] M.Yang,: ""Photoluminescence Analysis of InGaP Top for High-efficiency Multi-junction Solar Cells"" Proceedings of 13th Eurpean Photovoltaic Solar Energy Conference. (印刷中). (1997)
• [文献書誌] M.Yang: ""Analysis of Heteroepitaxial AlGaAs/Si Tandem Solar Cells for concentrator application"" Proceeding of the 25th IEEE Photovoltaic Specialist Conference. 105-108 (1996)
• [文献書誌] M.Yang: ""Propertise of Si,GaAs-on-Ge and GaAs-on-Si Solar Cells under Concentrated Sunlight"" Technical Digest of 9th Photovoltaic Science and Engineering Conference. 789-790 (1996)
• [文献書誌] M.Yamaguchi: ""Analysis of Radiation Damage to Silicon Solar Cells under High-Fluence Electron Irradiation"" Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35. 3918-3922 (1996)
• [文献書誌] M.Yamaguchi: ""High-energy and high-fluence proton irradation effects in silicon solar cells"" J.Appl.Phys.Vol.80. 4916-4920 (1996)
• [文献書誌] M.Yamaguchi: ""Radiation-Resistance of InGaP Solar Cells"" Proceeding of the 25th IEEE Photovoltaic Specialist Conference. 163-166 (1996)