研究概要 |
通常の研究室でも実験できるコンパクト自由電子レーザとして、ミリ波、マイクロ波帯の超広帯域発振器の実現を目的としているが、本年度は周期長可変のソレノイド誘導型平面ウイグラ装置の開発を目的として次の研究を実施した。 1.数kGのソレノイド磁場中に長方形の鉄ブロックを周期配列して横磁場を誘導させ平面ウイグラを形成するのであるが、磁極間隙長、鉄ブロック外半径は、電子ビーム伝搬条件およびソレノイド磁場発生条件により決まり、それぞれ16mm,23mmとした。鉄ブロックはこの制限のもとで最適設計することになる。その結果基本的には12mm×13mm×20mmの長方形となるが、その外側の1辺を適当にカットした構造が磁束の縦誘導を抑えて横誘導を強めることになる。そのカット量の最適値を磁場コード(JMAG)により決めた。その結果、周期長44mm、磁場間隙16mmの配置で、ソレノイド磁場1.8kGのとき、ウイグラ磁場(横磁場)1.3kGが得られることが分かった。これは十分実用できる値である。 2.これらの計算を基にして、周期長可変のウイグラ装置の設計を行い、現在、その殆どの部品が仕上がった段階である。 したがって、これからソレノイドコイルを巻いて装置は完成するが、続いて磁場計測に入り、周期長変化による磁場特性を実験的に明らかにする。これは4月末になり、少し遅れているが、その後、予定通り電子ビーム関係の研究に入る。
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