• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

電子供与性物質を添加した高分子絶縁物による交流部分放電の低減

研究課題

研究課題/領域番号 08650367
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

山野 芳昭  千葉大学, 教育学部, 教授 (90134791)

キーワード部分放電 / 電子供与性物質 / 添加剤 / 絶縁フィルム
研究概要

PMMA板上に添加剤入りのPMMAフィルムを配置した試料を用いて、添加剤による交流部分放電の低減について、球-平板電極系を用いて検討を行った。使用した添加剤は、p-アミノアゾベンゼン(Ab:電子供与性)およびp-ニトロベンゼンアゾレゾルシン(Nb:電子受容性)である。添加剤入りPMMAフィルムは、溶液キャスティング法により、厚さ100μmのものを作製した。以下に、本年度の成果のまとめを示す。
(1)部分放電開始電圧付近において、色素濃度0.05%のAbフィルム試料の交流正負部分放電の放電電荷および発生パルス数は、他のフィルム試料と比べると、50%以下に低減される。交流正部分放電については印加電圧の位相が(2/5)π〜(3/5)πの間で、交流負部分放電については印加電圧の位相が(6/5)π〜(8/5)πの間で、放電電荷,発生パルス数ともに低減する。(2)Abフィルム試料における交流部分放電の低減効果は、特に部分放電開始電圧付近で顕著に現れる。ただし、交流部分放電の開始電圧については、添加剤の種類およびその有無への依存性はない。(3)フィルム表面の電位分布は、添加剤の種類により変化する。すなわち、Abフィルム試料における表面電位は、球電極とフィルムとの接触点付近(P点付近)で、正極性を示す。他のフィルム試料におけるP点付近の電位は、負極性を示す。(4)Abフィルム試料における交流部分放電の低減現象は、Abが電子供与性の物質であることを考慮すると説明ができる。(5)上述の(1)〜(4)の成果は、PMMA板上に添加剤入りフィルムを配置した試料を用いて得られたものであるが、添加剤入りフィルム単体を試料として用いた場合も、交流部分放電の低減効果があることの確認も行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Yamano: "Decrease in ac Partial Discharges on Insulating Materials by Use of Dye Additives." IEEE Trans.on DEI. 3・4. 425-431 (1996)

  • [文献書誌] 山野: "PMMA絶縁フィルム表面における交流部分放電の添加剤による低減効果" 静電気学会誌. 20・4. 247-251 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi