• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

酸化物シナプス素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08650374
研究種目

基盤研究(C)

研究機関信州大学

研究代表者

深海 龍夫  信州大学, 工学部, 教授 (90021005)

研究分担者 柄沢 潤一  信州大学, 工学部, 助手 (00262692)
キーワード二酸化チタン / ペロブスカイト / 酸素欠陥 / シナプス / アナログメモリ / 伝導度変調 / 異常電流 / 劣化
研究概要

二酸化チタンやプロブスカイト型チタン酸塩などの酸化物には電圧を印加すると次第に抵抗の減少がありこれまで一種の劣化現象と考えられていた。一方、生体の脳神経細胞におけるシナプスはインパルスが通過するたびに,一層容易に通過できるように変化し,これが脳の学習機能と直結しているものと信じられる。近年,学習機能を有するコンピュータとして,信号の並列処理を特徴とする非ノイマン型のニューロ・コンピュータが提唱されている。ここでは多数のシナプスを集積するため,出来得るかぎり構造の単純なアナログメモリ素子が要求される。
この需要に答えるべく,本研究では上記物質の抵抗変化を応用できないかを検討するものである。本年度においては,抵抗変化の原因と推測される酸素空位の挙動について考察した。まず,アクセプタをドープして酸素空位を作ったペロブスカイト型酸化物を焼成し,赤外分光,EPR,誘電特性を調べ,その結果,B-siteに置換されたII価のアクセプタは有効電荷-2価のイオンとして振る舞い,+2価の酸素空位を伴うこと,超低周波誘電緩和をもたらすこと,などを見いだした。また,高温で低酸素分圧の雰囲気において酸素空位を持つ二酸化チタン(ルチル)の抵抗変化を調べ,これを酸素センサへ利用する試みなども行った。
さらに,研究時期の関係で未発表であるが,アクセプタドープのチタン酸塩に方形波パルスを印加し,伝導度変調される様子を観察した。その結果,この伝導度変調が酸素空位の移動によりセラミックス内部の電界およびキャリア濃度を変えていることによると推定した。シナプス素子としては充電電流を小さくするために,より誘電率を小さくすること,低温でより大きな変調特性を得るために,より酸素空位移動度の大きな酸化物を見つけること,などが重要と考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Hafid et al: "Thermostimulated Current, Dielectric and EPR Studies of the Paraelectri Phase of Ni-Doped Barium Strontium Titanete Ceramics" Ferroelectrics. Vol.186. 173-176 (1996)

  • [文献書誌] J.Sheng et al: "Integrated TiO_2:Pt/ZnCr_2O_4 Thin Film Oxygen Sensor" Technical Digest of the 14th Sensor Symposium. 249-252 (1996)

  • [文献書誌] J.Karasawa et al: "Localized Polarization in Strontium Titanete Single Crystal" Japanese Journal of Applid Physics. Vol.35. 5129-5131 (1996)

  • [文献書誌] J.Sheng et al: "Investigation of Platinum-Doped TiO_2 Film λ-Sensor" Sensor and Materials. Vol.9. 97-106 (1997)

  • [文献書誌] J.Sheng et al: "Platinum-Doped Titanium Oxide Film λ-Sensor Integrated with Temperature Compensated Thermistor" Sensor and Actuator. (掲載予定).

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi