研究課題/領域番号 |
08650392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
花岡 良一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90148148)
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研究分担者 |
西 敏行 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (30180574)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 標準雷インパルス電圧 / 沿面ストリーマ / 変圧器油 / 液体窒素 / 固体-液体界面 / ポリエチレン絶縁電線 / 気体 / 固体界面 / polyethylene insulated wire |
研究概要 |
本研究は、気体-固体、及び液体-固体界面の沿面放電現象と放電進展メカニズムに関するものである。 気体-固体界面の研究では、架空絶縁電線表面のインパルス沿面放電現象を詳細に調べ、放電の様相と進展特性に特徴的な放電極性の効果が存在することを明確にした。特に、負極性沿面ストリーマの進展長特性に増加と減少の2つの領域が存在することを明らかにし、その原因が放電様相の推移、すなわち、密着型からジャンプ型放電への移行によることを示した。また、電線表面に付着した水滴が沿面放電に及ぼす影響も明らかにされた。更に、放電進展のメカニズムに関連して、放電表面電界の効果が実験と解析の双方から考察され、実用面への適用が検討された。 液体-固体界面の研究では、第一に、不平等高電界印加の下での直流電気伝導特性に関する界面の効果が検討され、電極に密着して存在する液体/固体界面は、伝導電流を激減させる効果のあることが判明した。この現象は、流体力学的効果と絶縁物表面帯電の効果の双方から解析的に考察され、後者は前者より大きな効果を持つことが明らかにされた。第二に、変圧器油中のインパルス沿面放電現象に関して、周囲に存在する接地金属板の影響が詳細に研究された。特に、放電の進展特性は金属板の位置によって特異な依存性を示すことが明らかにされ、電力機器の合理的絶縁設計の観点から検討された。第三に、液体窒素中のインパルス沿面放電現象に関して、印加圧力の効果が実験的に研究され、液体の気化現象から理論的に考察された。更に、放電進展に及ぼす固体絶縁物表面帯電の影響が明らかにされた。 本研究成果は、他に報告されていない特徴的な多くの現象を含み、今後の電気絶縁分野に新たな指標を与えるものである。
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