研究概要 |
有機単分子膜の結晶成長機構の解明とその制御方法を見いだすためには単分子膜を光学的手段で精密に観察することが不可欠であった。本研究では従来の蛍光顕微鏡観察に加えて、偏光顕微鏡、微分干渉顕微鏡などの手段により非破壊で水面上の単分子膜を明瞭に観察できる新しい手法を見いだした。また円偏光を用いることによって、光学異方性の小さな試料でも観察可能であることがわかった。成長機構について知り得たことを要約すると、単分子膜結晶の成長核形成速度が極めて大きいということであり、これを制御するためには膜材料分子の水面上拡散速度を押さえることが極めて有効であるということである。このことを考慮した単分子膜作成装置により、20×5mm程度の単結晶単分子膜を得ることができた。さらに蛍光偏光を利用した結晶内分子配列の決定、分子力学計算やX線回折を用いた構造検討などをおこなった。この補助金支給により、下記の研究報告をおこなうことができた。 S.YAMADA and Y.SHIMOYAMA:Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)pp.4480-4485S.YAMADA and Y.SHIMOYAMA:Jpn.J.Appl.Phys.36(1997)pp.5242-5248山田 進・下山 雄平:高分子論文集、Vol.55,No.4,pp.157-170(Apr.,1998)
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