研究課題/領域番号 |
08650396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
呉 南健 北海道大学, 工学部, 助手 (00250481)
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研究分担者 |
赤澤 正道 北海道大学, 工学部, 助教授 (30212400)
雨宮 好仁 北海道大学, 工学部, 教授 (80250489)
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キーワード | セルオートマトン / トンネル接合 / 電気化学 / 学位セル / 量子 |
研究概要 |
本研究は、微笑トンネル接合を利用した量子セルオートマントンデバイスの最適設計を行い、原子レベル加工技術によって単位セルデバイスを試作し、その動作を実験的に観察・解析することを目的で、遂行されるものである。以下に、研究の背景・意義及び平成8年度の成果の概要を記す。 1、研究の背景と意義 セルオートマンは非ノイマン情報処理方法の一つであり、種々の高速画像処理が可能である。しかし、これを現用のデバイスでつくろうとすると、膨大数のトランジスタを必要として実現困難であった。そのため、新しい単位セルデバイスの開発が必要となっている。本研究は、微笑トンネル接合を用いる単位セルの設計・製作技術を確立、量子セルオートマンを実現できる可能性を持った新規なアプローチであり、波及効果が大きい。 2、8年度の研究実績の概要 微笑トンネル接合を利用した単位セルデバイス及び量子セルオートマトン回路の動作を理論的に解析し単位セルと量子セルオートマトン回路構造の最適設計を行い、次のような研究結果を得た。 (1)最適単位セルデバイスを提案した。最適単位セルデバイスはトンネル接合を介した4個の量子ドットからなる。接合容量が小さく単位セル間の接合容量が大きいという条件を満たすために、量子ドットを扇形にした。 (2)最適単位セルデバイスを用いて量子セルオートマトン回路を構成し、所望の信号伝達動作や論理演算性能が得られることがわかった。また、動作速度が速く動作時間が1ns以下であった。 (3)単位セル間の結合容量はトンネル接合の容量より大きければ大きいほどよい。しかし、単位セルデバイスの構成材料誘電率と寸法に制限があり、単位セルデバイス間の結合容量とトンネルの接合容量の比は100くらいが妥当であることがわかった。 (4)デバイスの試作を行った。真空蒸着法を用いてシリコン酸化膜の上に金属Ti薄膜を蒸着する。次いで、STM/AFM原子レベル電気化学反応で金属薄膜を局所的に酸化されることに成功した。
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