新しいタイプの超広帯域平面アンテナ、すなわち、遮へい構造のトリプレート線路により励振されるテ-パスロットアンテナ(TSA)を設計する際重要となる、主要な設計パラメータと放射諸特性の関係を解明した。次いで、実際にこのTSA素子を設計・試作し、以下の知見を得た。 (1)超広帯域TSA素子の不要放射特性、インピーダンス特性、帯域幅および利得特性等を測定したところ、不要放射、すなわち、交差偏波成分は【tautomer】30dBまで抑制され、インピーダンス特性、すなわち、リターンロス特性は、超広帯域な周波数領域に亘り、【tautomer】10dB以下の良好な結果が得られた。また、利得は、8GHzから12GHzに亘り、6.8dBi以上の値が得られた。 (2)また、この種のアレーアンテナを設計する際必須となる素子間相互結合量を実験により定量化したところ、素子間隔が0.5λ_0の場合においても、H面で【tautomer】20dB、E面で【tautomer】15dBなる極めて良好な特性が実現された。更に、遮へい構造のトリプレート線路により構成される、テ-パスロットアンテナ(TSA)を素子とするアレーアンテナに着目し、この種のアンテナ系を構成する際重要となる、設計上の問題点について、総合的考察を加え、以下の成果を得た。(1)超広帯域平面アンテナ(TSA)を素子とするアレーアンテナを設計する際必須となる設計パラメータを取得した。(2)、(1)で決定された設計資料を遂使し、多素子超広帯域アレーアンテナを実際に試作し、電波吸収体により散乱波が抑制された電波暗室内で、インピーダンス特性、帯域、利得および放射パターン等の諸特性を実測し、本設計法の妥当性を理論・実験両面より検証した。 (3)更に、TSA素子を用い超広帯偏波共用アレーアンテナを試作し、良好な放射特性を実現した。
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