研究概要 |
汎用プログラムの開発のため,本年度は以下にあげる項目について研究を実施した. (1)数百ないし千元程度の規模を持つ最小2乗問題を比較的小規模な計算機,たとえばエンジニアリングワークステーションやRAMを増設したパーソナルコンピュータなど,で解くための手順を確立した.この成果については,現在,論文として公表することを準備している. (2)安浦のモード整合法に基づいた散乱問題解析用の計算機コードを小規模な計算機に移殖する作業を行った.この際,計算機資源の有効利用と計算時間の短縮を図る目的で,幾つかの工夫を加えている. (3)前項で作られた解析システムによって散乱問題を解き,このシステムの能力を評価した.従来の中ないし大型機の利用を前提としたシステムと比べて,ほとんど遜色の無い結果が得られている. (4)本研究の目的の一つであるGUI環境の下でのシステム利用を実現するための準備として,障害物の形状の入力方法について具体的に検討した. 以上のような成果をふまえて,来年度は,障害物の形状,材質,および入射波を入力すれば,散乱パターン,散乱断面積,その他の物理量がGUI環境の下で得られるような汎用プログラムの開発を行いたい.
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