研究課題/領域番号 |
08650410
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
木村 光照 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048811)
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研究分担者 |
菅原 文彦 東北学院大学, 工学部, 助教授 (70171139)
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キーワード | トランジスタ / ショットキダイオード / トンネル / トンネルトランジスタ / MOS / MOSゲート / シリコンデバイス / MOSトランジスタ |
研究概要 |
昨年度の科学研究費の援助の下での研究結果、ショットキトンネルトランジスタの基本動作を確認し、予想されるようにショットキトンネルダイオードの接合上のMOSゲートを構成する最も単純で従来のMOSFETの超小型化に伴う短チャンネル効果を克服できることを確認したが、ULSIにおけるDRAM用のトランジスタとして使用する場合には、その相互コンダクタンスGmがまだ小さいという問題がはっきりしてきた。先ずは、これを検討すると共にその対策が必要になった。次のような検討・対策の結果、Gmが大きくなり得る新しいMOSゲートショットキトンネルトランジスタが誕生し、特許出願すると共に、その確認実験を進めており、論文を書き始めているところである。また、この研究推進中にMOSゲートを有する新たなデバイスも誕生し、論文として発表した。 1.相互コンダクタンスGmが小さい理由の検討 これまでのショットキトンネルトランジスタでは、ショットキ障壁の高さは、MOSゲート電圧Vgによりほとんど変化しないため、トンネル電流の変化は、ショットキ障壁のトンネル長の変化だけに依存していた。 2.MOSゲート電圧Vgの印加によるショットキ障壁の高さをも変化できる構造の検討 ショットキ障壁ダイオードにおいては、ショットキ金属側には電圧降下が無いので、ショットキ障壁の高さは、MOSゲート電圧Vgにより変化できないという理由がはっきりしているので、ショットキトンネル障壁中にショットキ接合を構成する半導体の伝導型とは異なる伝導型で電子などのトンネルが可能な程度の極めて薄い半導体層を形成すれば、この障壁高さをMOSゲート電圧Vgの印加で変化させれば良いことに気づいた。 3.Gmの大きい新しいMOSゲートショットキトンネルトランジスタの構成と実験および結果 n型半導体基板表面に高濃度のn型不純物を拡散し、この領域にショットキトンネル障壁を作るが、このトンネル障壁界面にアルミニウムの拡散合金により3nm程度のp+不純物層を形成させ、この層を可変障壁高さの層として利用する。ショットキ金属としてコバルトシリサイドを用いた。その結果、3極管特性を示す予想されたMOSゲートショットキトンネルトランジスタが誕生した。
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