研究概要 |
この研究全体の基礎検討のために,本年度は2次元再帰的適応ディジタルフィルタのアルゴリズムを開発し,提案法の理論的解析を行うとともに,映像信号に対する計算機実験を通して,提案アルゴリズムの信号処理能力を評価した. 1.2次元再帰的適応フィルタリングのアルゴリズムを考案する.このアルゴリズムの基礎として,逆伝搬IIRフィルタ構造を利用する. 2.上で得られたアルゴリズムをワークステーション上のソフトウェアによって実現し,提案する適応フィルタリングの処理能力を理論的に求め,またこのフィルタの収束性に関する理論的検討を行った.理論的評価のために2次元ランダム信号を用い,性能評価項目として,適応のための演算量,フィルタリリグのための演算量,収束速度,残留誤差を考察した. 3.得られたアルゴリズムによって,ITU-Tの標準映像に対して適応信号処理を行った. 4.この提案法と比較するために,LMSアルゴリズムを用いる2次元FIRフィルタを実現し,映像信号処理能力とアルゴリズムの複雑さの比較を行った.
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