(1)2次元LMSアルゴリズムを2次元FMモデルとして表現し、このフィルタの平均2乗誤差の解析を行った。この解析では、よく知られた独立性の仮定を用いる。入力信号が白色ガウスであるとき、解析結果についてとくに詳しく解析した。この結果、平均誤差が収束するためのステップサイズの条件よりも、平均2乗誤差が収束するためのステップサイズの条件はより厳しいことが明らかとなった。シミュレーションによって、この解析結果の妥当性と有効性が示された。 (2)この研究全体の基礎検討のために、本年度は2次元再帰的適応ディジタルフィルタのアルゴリズムを開発し、映像信号に対する計算機実験を通して、提案アルゴリズムの信号処理能力を評価した。 (3)2次元非再帰的適応ディジタルフィルタとして、2次元LMSアルゴリズムを2次元FMモデルとして表現し、このフィルタの平均2乗誤差の解析を行った。この結果、平均誤差が収束するためのステップサイズの条件よりも、平均2乗誤差が収束するためのステップサイズの条件はより厳しいことが明らかとなった。シミュレーションによって、この解析結果の妥当性と有効性が示された。また、この解析手法を2次元ブロックLMS適応ディジタルフィルタに拡張した。
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