研究概要 |
本研究はマイクロセル移動体通信系において、タイナミックにセル配置を行い、それと同時にそれらのセルにダイナミックチャネル割当を適用し、チャネル利用効率を大幅に改善し、かつ呼量の変動にも対応できる方法を開発することを目的とする。平成8年度の研究実績として, 1.各セルに加わる呼量を一定値以下にするという条件のもとで,なるべく小さい数のセルでサービスエリアを被覆することを考え,セル(基地局)配置問題の定式化を行った.この問題がNP完全問題であり,一般に短時間のうちに最適解を得ることが難しい問題であることを示した. 2.セル(基地局)配置問題はNP完全問題であり,何らかの近似アルゴリズムを必要とする.近似アルゴリズムとして,遺伝的アルゴリズムを用いたセル配置アルゴリズムを開発し,その有効性を確認した. 3.もうひとつの近似アルゴリズムとしてクラスタリングアルゴリズムを用いたセル配置アルゴリズムを開発し,その有効性を確認した. また,ダイナミックチャネル割当て法についても,研究を行い以下のような成果を得ている. 4.呼量が不均一であるようなサービスエリアにおいてダイナミックチャネル割当て法を適用した場合の通信トラヒックのモデル化を行い,その有効性を示した. 5.ダイナミックチャネル割当て法の検索回数の平均値を与える解析法を開発し,その有効性を示した. 上記のように得られた成果を学術雑誌,国際会議等で公表している.
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