研究概要 |
TMセンサーによる7バンドのリモートセンシング画像の有損失情報圧縮を研究した。テスト画像として金沢市北部の画像を用いた。7バンドの画像中,バンド2の画像が局所的に他の画像より解像度が異なるので,他の6バンドの画像とこの画像との差分画像を作り,それらを6次元DCTした。0次係数平面にはエネルギーが集中したので,2次元予測符号化,Lloyd-Maxスカラー量子化(SQ)(量子化レベル数17),ハフマン符号化した。残りの5つの係数平面はそれぞれ2段ウエーブレット変換(WT)し,エネルギーの集中した低周波サブバンドを0次係数平面と同様にSQした(量子化レベル数17,33)。高次サブバンドの係数はすべて0とした。 バンド2の画像は2段WTし、低周波サブバンドは前記差分画像の0次係数平面と同様にSQを行った(量子化レベル数17)。高次サブバンドはベクトル量子化した。ベクトルの生成は,方向別にWTの2段目からの1サンプルと同じ位置の1段目からの4サンプルとで,5次元のベクトルを生成した。またまた,トレイニングベクトルをその電力(各成分の2乗和)によって,小さい方から順にクラス0,1,2と分けた。クラス0のベクトルは切り捨て,クラス2のベクトルのインデックスは8ビットに固定し,クラス1のそれは圧縮率により可変(3-8ビット)とした。フィルタバンクはJohnstonの16次タイプAをを用いた。 シミュレーションの結果,圧縮率11%の時,SNRは29.1dBであった。これを45dB以上に上げる必要がある。そのためには,差分画像のDCTの0次係数平面に全体の74%のエネルギーが集中しているので,この平面をWT-VQ等により,効率良く圧縮する必要がある。また完全再構成フィルタバンクを導いたので,これを用いて圧縮することの検討が残されている。
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