研究概要 |
平成9年度は、前年度に引き続き、無人搬送車(AGV)やロボットが介在するFMS(自動生産システム)の最適スケジューリング問題を検討すると共に、生産前後のロジステイクスと深く関係する立体自動倉庫の運用計画に関する研究にも取り組み始めた。 まず、古典的なフローショップスケジューリング問題に対して新たに開発した厳密解法アルゴリズムが極めて高い性能を有することが認められて、その報告書が国際学会の論文集に掲載された。このアルゴリズムは、ほんで研究の対象とするFMSにおいてAGVと加工機の統合的スケジューリング問題に拡張され、なお、高い性能を維持していることが確かめられた。この成果は国内の英文雑誌に発表された。 以上は任意の規模のFMSを対象としたものであるが、これとは別に、2台あるいは3台の加工機からなる小規模のFMS,すなわち、FMCやロボテイクセルの統合的スケジューリング問題を検討した。 まず、2台の加工機間に存在するバファーが有限である場合に対して、0バファーや無限バファーノアルゴリズムを巧みに併用した近似解法を提案し、その近似性能が極めて高いことを確かめた。さらに、これを3機会からなるシステムに拡張し、同様な性能が得られることを確かめた。これらの成果はいずれも国内の和文誌に掲載された。 次に、2機械の間に洗浄、乾燥などの中間ステージが存在するシステムに対し、新たに効率よく厳密解を与えるアルゴリズムを発見した。この成果は日本機械学会100周年記念国際会議で発表された。 この他、これまでの成果を含めた、この方面の内外の研究成果をまとめ、体系化の試みを行った。これらは、国内の雑誌やシンポジウムで報告された。
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