研究概要 |
ヒメ鶉胚の心拍数成長パターン:卵質量約6gのヒメ鶉胚について、心拍数成長パターンを測定した。ヒメ鶉とダチョウを含む早成9種の卵心拍数(HR)アロメトリー特性は、HR【double half arrows】440・M^<【tautomer】0.128>(M:卵質量,g)で示された。 孵卵初期の鶏胚心拍数成長パターンと環境酸素変化に対する心拍数応答:卵殻を取り去らずに心臓が形成される孵卵前期の心拍数を計測し鷄胚の孵卵全期間にわたる成長パターンを明らかにした。胚を10%及び100%酸素環境に曝し心拍数応答を計測、新たな知見を得た。 鶏胚心拍数の不規則性の発現:アコーストカ-ディオグラム(ACG)法により、瞬時心拍数を孵卵後半連続測定し、心拍数ゆらぎの発現過程を明らかにした。短い周期(0.5〜1時間)の規則性のある心拍数変動が、日令14日前後に現れ始め、日令と共に変動巾が増大する結果を得た。カテーテル法で測定した血圧波形より得た瞬時心拍数パターンから、ゆらぎには基本的に4種のパターンが有り、それらの発現日令も異なることを確認した。 ACG法による胚呼吸運動の計測:ACG法により絨毛尿膜嘴打直前から体動及び呼吸運動が計測された。絨毛尿膜から肺によるガス交換の切替に伴う、胚呼吸機能の発達に関して新たな情報取得の可能性が示された。 孵化中の胚の瞬時心拍数計測:心電図法を利用して、孵卵17日から卵殻嘴打(EP)中に至る期間の胚瞬時心拍数計測を可能とし、特にEP中の胚について心拍数ゆらぎに関する新たな現象を見いだした。 自律神経機能発達と心拍数ゆらぎとの関連:各種の方法で計測した心拍数ゆらぎの多様な特異的パターンに対する自律神経の関与を各種神経興奮剤及び抑制剤を静注、動脈圧から得た瞬時心拍数のパターン変化より明らかにする実験を行った。一過性徐脈は副交感神経が関与していることを検証したが、一過性の多様なパターンを示す頻脈と交感神経機能との関連は明らかでなかった。
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