計測システムの構築と予備実験 両眼の輻湊とピント調節を同時に計測するシステムを構築した。立体ディスプイによって、眼から1mの距離にある映像を50cm飛出させるとき、約4°の輻輳を生じる。このときの輻輳が調節測定に与える影響を度数-5.00の模型眼で求めたところ、測定誤差は0.150以内であり、測定に与える影響は小さいことを確認した。また、人間を対象として、立体映像と観察中の眼球運動と調節の同時測定を行ない、測定できることを確認した。 評価・解析手法の開発 3名の被験者により、立体映像が1mから50cmに飛出す刺激による調節と輻輳の測定を行なった。この実験から調節応答に不安定性が見られた。また、実物視標により、同じ立体刺激を与えた場合と比較実験を行なった。両実験を比較すると、(1)輻輳応答はほぼ同じである。(2)立体映像による調節応答は不安定であることが認められた。したがって、調節の不安定性を評価基準とする手法が有効であると考えられる。
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