研究の目的 南極の海氷状況の観測を気象衛星を用いたリモートセンシングによる広範囲にわたる低分解能の方法と船上からの直接映像観測の高分解能の方法の2通りを組み合わせて解析する手法を確立することを目的とし、次の課題を実施した。 (I)船上ビデオ映像の画像処理 "しらせ"の船上より撮影・録画された海氷ビデオ映像を衛星データと対比・比較するために次の処理を行った。 (1)撮影時のビデオカメラは船の進行方向の氷海に向けて斜め下向きに取り付けたので、斜映像となっている。従って、この斜映像を上から見た映像に幾何変換した。 (2)幾何変換された映像をマッチング法により連続的に結合して広範囲の画像を作成した。 以上の2つの処理により、氷海の真上から見た画像が広範囲にわたって作成され、衛星データとの対比・比較が可能となった。 (II)NOAA衛星データの処理 (1)昭和基地に設置された「NOAAデータ処理装置」によりデータを受信(最大7軌道/日)し、磁気テープに記録された波長毎の1〜5チャンネルのデータは極地研究所保管されているので、"しらせ"の航行域の磁気テープを選び、ワークステーションに入力可能な8mmテープにコピーした。 (2)ワークステーションを使って、8mmテープに記録されている1〜5チャンネルのデータより、各種の海氷解析を行った。
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