種々の環境のもとで作業を行うロボットでは、環境の変化に従って最適な走行制御則を獲得することで、システム全体の効率アップが図れ、さらにチューニングの必要も無くなり、メンテナンスフリーが実現できる。本研究では、知的制御法であるニューラルネットとファジィ推論を用いた走行制御則の自動獲得法を開発することを研究目的とし、本年度は以下の点を検討した。 1.シミュレーションによるニューロ・ファジィに基づいた走行制御法の検討 制御則をファジィルールで表現し、その制御ファクタ及びファジィ集合をニューラルネットで逐次チューニングし、走行環境の変化にも対応できる走行制御手法の検討を行った。 2.PSDを用いた距離センサと制御システムの製作 移動ロボットの眼として、2つの一次元PSDとステッピングモータを用いた距離センサを製作した。移動ロボットの制御は、10ミリ秒以内に検出と走行およびステアリング制御を行う必要があり、購入した高速デジタル制御システムを用いた制御用プログラムの開発を行った。以上の実験システムを用いてファジィ推論に基づいた追尾制御の実験を行い、精度良く前走車軌跡を走行できることを明らかにした。
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