研究課題/領域番号 |
08650496
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (20150493)
|
研究分担者 |
吉田 啓二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (80108670)
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (00221911)
|
キーワード | SQUID / 磁気センサ / 高温超伝導 / ジョセフソン素子 / 磁束ノイズ / 磁束トラップ |
研究概要 |
本研究では液体窒素温度で動作するSQUID磁気センサの開発を行っている。このために必要となる高温超伝導薄膜の作製プロセスの高度化を行った。レーザ蒸着法を用いてYBaCuO薄膜を作製し、臨界温度T_c=93K、臨界電流密度j_c=4x10^6A/cm^2(T=77K)の超伝導特性を得た。この特性はこれまでに報告されているもののなかでも最高レベルのものであり、この薄膜を用いることにより液体窒素温度でのSQUID動作を安定して行なえるようになった。また得られたSQUIDの特性は設計値と良く一致しており、高品質薄膜を用いればSQUID設計が可能であることを示した。。 次に設計理論に基づいてSQUIDの高性能化を行った。なかでも高性能化に有効な高抵抗ジョセフソン素子の作際プロセスを開発した。高抵抗素子により変調電圧や磁束分解などのSQUIDセンサの性能が大幅に改善し、世界的に最高レベルのSQUID磁気センサが実現できた。 さらに、試作したSQUIDを用いて磁気センサシステムを構成し、磁界感度等の性能評価を行った。この測定を通してシステム性能に及ぼす環境磁気ノイズの影響を明らかにした。なかでも地磁気のシールド無しにセンサを使用する場合には、地磁気による磁束トラップの影響が大きい事を示した。磁束トラップによるセンサの性能劣化を低減する事が今後の大きな課題である。
|