研究概要 |
本研究は,ロボットあるいは産業用ビジョンへの利用を目標として,性質の異なる2つの画像:距離画像と濃淡画像とを融合することにより,ロバスト性の高い,実用的な3次元形状の認識手法を確立することを目的としている.昨年度は,距離画像から抽出する特徴として平面・円筒面,濃淡画像から抽出する特徴として直線エッジを選択し,これらの特徴の抽出・識別法を確立し、さらにこれら両画像から抽出される特徴を融合(センサフュージョン)して3次元形状特徴を計測する手法を確立した.本年度は,これらの手法を発展として,主に以下の2つの成果を得た. ・複雑な形状のモデルベース3次元形状認識:上記手法で得られる基礎的な3次元形状特徴を用いてモデルベースで識別を行い,3次元位置・姿勢の計測結果を得る手法を確立した.一般にモデルベーストビジョンでは探索空間が大きくなることが問題点であるが,本手法では比較的高次の3次元特徴を用いることにより,実用的な処理コストで認識を実現することが可能である. ・ロボット群による分散センシングへの適用:ロボット群の各ロボットが距離画像センサ,濃淡画像センサを搭載している際に,各ロボットの位置・姿勢誤差を加味して上記のセンサフュージョンを行う手法を確立・定式化すると同時に,融合された結果に基づきデッドレコニングにより得られているロボットの相対位置・姿勢誤差を補正する手法を確立した. 提案手法の有効性の検証は,実距離画像・濃淡画像の融合実験により行った.
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