研究概要 |
本研究はロボットハンド・指の操作とその触覚センシングに基づく「インテンショナルセンシング」とその発現機構の解明を目的とする. 本研究では,ロボットハンド・指の物体把持とその接触状態の検出に,平行2本指ハンドとその指に搭載する触覚センサを開発した.指は平行に開閉し,物体把持によって指と触覚センサ間の接触状態が取得される,指の把持面に搭載された触覚センサは34x22mmの範囲においてセンシング要素として17x11個のアレイ状に構成され,各センシング要素に加わる圧力が検出可能である. 従来,物体把持理論は指表面と物体表面の接触が摩擦あり点切職の形で行うものが多いが,触覚センサを用いた場合には面接触になる場合が多く,そのための理論構成が必要となる.本研究では物体把持モデルを構築するために,摩擦あり点接触の形に仮定された把持理論の拡張を行った.基本的には物体表面と触覚センサ表面の初期接触点と物体把持後に移動した位置を触覚センサで検出することにより,物体把持状態に関する理論構築を試みた.また,同時に試作された分布形触覚センサのモデル化を行い,センサ表面に作用する力成分検出について明らかにした. 今後,平行2本指ハンド・指に対する物体把持理論の構築とその実験的実証が課題として残されており,次年度以降の課題となる.
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