研究概要 |
ロボットシステムの環境の変動に対する柔軟な適応能力を高めるためには、能動的なセンシング技術を確立することが重要である。本研究の目的は、能動的な視覚プラニング、すなわち、カメラや照明をどのような位置・姿勢に設定すべきかを自動計画するシステム技術の確立に向けて、新たなセンサプラニング技術の研究開発を行うことである。 本年度(平成8年度)は,タスクシーケンスの自動生成と結合したセンサプラニングシステムの構成を行うことを中心に研究を実施した。具体的には,典型的なタスクプラナであるSTRIPS的なプラニングシステムをベースにタスクプラナとセンサプラナとの融合を図るためのプロトタイプシステムを構成した。このタスクプラナでは、状態遷移を起こす作用素(オペレータ)は、それが適用できる前提条件を表すリスト、適用してあとの状態の削除リスト、追加リストの3つから構成され、作業を始める前の初期状態とゴールの状態とを与えると、前提条件を満足する作用素のシーケンスが順次導出される。従来のタスクプラナを具体的作業に用いる際の問題の一つは,実際の作業実行が保証されていないことであり,このためのセンシング機能をプラナの中に埋め込んで行く必要がある。そこで,作業環境の配置などの幾何学的な条件に基づいてセンサプラニングを行うために,作業に用いる6自由度マニピュレータ(川崎重工製,Js2)の3次元幾何シミュレータを構成した。さらに,作業の実行を的確に監視するために,人間の視覚のような広角視野と,中心視に相当する機能を協調的に働かせることを検討し,これを実現するための能動視覚のプロトタイプシステムを構築した。
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