集中した状態というのは種々のケースが考えられるが、気功は集中した状態であることが知られている。この報告では小周天、内養功、六字訣の気功について報告をする。 小周天は意識を集中させて、気を背骨から頭の上まで気を持ち上げ、頭の頂上から顔にそって気を降ろし、胸の中央を通り、腹部から陰部に気を下げ、再び肛門を通り再度繰り返すと言われている。一般に気功状態において、アルファ波が後頭葉に現れたり、あるいはそれが前頭葉まで広がったりする。このことからアルファ波に注目して、この小周天では脳波トポグラフでアルファ波の電位が高い所が後頭葉から前頭葉に向かって移動が起こることが判った。これはさらに周期的現象であり、その周期は呼吸によることも明かにした。 内養功という気功は病気治療法の一つで、たとえば高血圧、低血圧の治療を行うことが出来ると言われている。それを確かめるために各種の生理測定を行った。その結果、高血圧の方には交感神経をそれほど強く刺激しない方法で、吸う、吐く、止めるという呼吸であった。所が低血圧の患者用には吸う、止める、吐くという呼吸を行い、この場合は交感神経系に強く働きかけていた。このいずれの呼吸でも頚動脈の付近の血流が増加し、特に吸う、止める、吐くの呼吸の方が血流増加が大きく、脳内血流を改善する効果があることもわかった。 六字訣といわれる声を出す気功において、声を出すことで交感神経系に強く働きかけていることがわかった。また、声を出した後、脳波トポグラフではリラックスすることが判った。さらに発声音により特定の臓器に影響を与え、治療が可能と言われているが、超音波エコーを用いることで心臓、肝臓、腎臓の血流を改善できることが判った。
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