研究課題/領域番号 |
08650514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
米山 正秀 東洋大学, 工学部・情報工学科, 教授 (60277358)
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研究分担者 |
水野 皓司 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30005326)
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キーワード | ミリ波 / イメージング系 / 画像復元 / フィードフォワードニューラルネットワーク / ホップフィールドニューラルネットワーク / ボルツマンマシン / シミュレーテッドアニーリング / 平均場近似 |
研究概要 |
平成9年度における研究は、主に後処理系について重点的に実施された。層状フィードフォワード型ニューラルネットワークについては既に昨年度までに研究がまとまっているので、今年度はダイナミック型ニューラルネットワークによる画像復元の後処理について研究を行った。ホップフィールド・ニューラルネットワークはパターン想起性能が十分でなかったことと、探索型のアルゴリズムであるため膨大な実行時間を要し、リアルタイムの処理が不可能であったため実用性に乏しかったのが欠点であった。しかしながら、層状フィードフォワード型ニューラルネットワーク後処理による画像復元問題では探索対象物体のミリ波イメージングシステムによって得られる劣化画像を学習用のサンプルとして予め用意しておく必要があり、システム運用上の制約条件になっていた。これに対し、連想記憶作用を利用する場合には学習パターンとしては劣化前のオリジナル・パターンを用いればよいので、この点がダイナミック型ニューラルネットワークの運用上に利点となる。平成9年度においては、ダイナミック型ニューラルネットワークとしてはボルツマン・マシンを用いてシミュレーション実験を行った。ボルツマン・マシンを用いたのは、シミュレーテッド・アニーリングにより探索能力の向上が期待できることと、平均場近似の採用により実行時間の短縮が見込まれるためである。劣化したミリ波画像を入力して実験した結果、ホップフィールド・ニューラルネットワークではしばしば局所解に陥り間違った画像を想起したのに対し、ボルツマン・マシンを用いた場合には、予想通り正しい画像の想起率が大幅に向上した。一方、実行時間についてもボルツマン・マシンを用いた方が圧倒的に短縮され、実用レベルに近づけることができた。
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