本研究では、次の4課題。(1)無侵襲センサ出力の信号処理(2)ストレス計測(3)車両走行曲率と運転スキルの評価(4)顔の表情によりドライバの心理を表す表示器の構成。についての研究を進めた。 (1)では、センサとして市販のコンデンサマイクロホンを用い座席に座ったときのお尻の振動から運転者の心拍を計測するシステムを構築した。このセンサは感度が高く他の振動も容易に計測してしまう。そのため心拍の波形の情報を利用した信号処理法を開発した。振動の無い座席では、無侵襲により、運転者の心拍変化をとらえることができた。 (2)心拍と周波数と呼吸の強弱には、相関があり、その間の後れ時間とストレスは関連があるとのモデルのもとで、その関係を実験的に調べた。その結果、関連の存在は認められた。(3)自動車の既存のスピードメーターとジャイロの出力の比から自動車走行軌跡の曲率オンラインで計測するシステムを開発した。道路の曲率を部分的に一定、ある程度以下の曲率では、道路は直線であるとの仮定のもとで、道路の曲率を部分的に一定、ある程度以下の曲率では、道路は直線であるとの仮定をもとで、道路の曲率と運転に伴う曲率を分離した。分離された運転に伴う曲率変化から、その運転者の特徴を読み取ることができた。 (4)自動車運転中の際に得られるデータ速度、回転数、横変異の評価言葉を抽出した。運転中の心理状態を「いらいら・怒り」「緊張」「過信・愉快」「焦り」「安定・冷静」の6つに分けアンケートをとりこれらと似顔絵との関係を因子分析により解析した。
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